「茶道は白靴下で行くの?」「挨拶はいつすれば良いの?」など、初めての茶道は分からないことがいっぱいですよね。
今回は茶道を始めてする人に向けて、服装・持ち物・挨拶など基本となるマナーを紹介します。これであなたも安心して茶道教室に行けますよ。
茶道とは?ざっくり教えて
流派 三千家
実は茶道には流派があるということを知っていましたか? 流派によって、お抹茶の点て方やお点前の仕方なども異なります。流派とその違いについて紹介します。最もメジャーな流派は、「表千家」「裏千家」「武者小路千家」の三千家です。この三千家は、利休の孫の千宗旦の子どもが作りました。 子ども達は、それぞれ三男は「表千家」、四男は「裏千家」、次男が「武者小路千家」を確立します。
- 「表千家」 昔からの作法を忠実に守る。保守派。
- 「裏千家」 開かれた流派で茶道人口が最も多い。伝統を重んじながらも、時代に合わせた風潮を積極的に取り入れる。よく泡立ったお抹茶を点てる。
- 「武者小路千家」 自然で無駄のない合理的な所作。お抹茶の泡をあまり点てない。
三千家はそれぞれに違う良さがありますね。
覚えておきたい茶道の用語
流派によって異なることもありますが、今回は裏千家の用語について紹介します。
持ち物編
茶道で必要となる基本の用語を紹介します。覚えておくと、役に立ちますよ。
- お点前(おてまえ):茶道でお抹茶を点てる一連の行為のこと。
- 帛紗(ふくさ):点前のなかで道具を清めたり、釜の蓋を開けたりする時に使う布。
- 扇子(せんす):挨拶の時などに使用する。
- 懐紙(かいし):懐に入れて携帯する2つ折りの和紙。和菓子のお皿代わりになる。
- 菓子楊枝(ようじ):和菓子を切って食べるときに使用する。
ちなみに、お茶会へ参加する時は一般的に帛紗、扇子、懐紙、楊枝を帛紗ばさみに入れて持っていきます。
お点前の道具編
- 柄杓(ひしゃく):釜から湯をすくう道具。
- 茶筅(ちゃせん):茶を点てるための竹製の道具。
- 茶巾(ちゃきん):点前中に茶碗を清める白い麻の布。
- 棗(なつめ):茶を入れておく容器。
- 茶杓(ちゃしゃく):茶器(棗)の中から茶をすくう匙のようなもの。
- 建水(けんすい):湯水をあける水こぼし。
茶道のお道具名は、お稽古をするうちに覚えてきますよ。お客さんとしてお茶会に参加するときにも、名前を知っているだけでより深く楽しめるかもしれません。
知っておきたい茶道特有のマナーとは?
持ち物編
一般的に、茶道教室に行く際に必要なものはこちら↓
- 帛紗(ふくさ)
- 懐紙(かいし)
- 扇子(せんす)
- 楊枝(ようじ)
- 月謝等
- (あれば古帛紗)
流派や先生によっては、他に必要なものがあったり、必要ないものがあったりもします。茶道教室に初めて行く際には、あらかじめ先生に必要なものを聞いておきましょう。特に、初心者は必要だからといって、焦って買う必要はありません。お稽古の様子を見て、自分のお気に入りのものを見つければ良いです。
月謝はピン札が基本とされています。大学生なら使用済みのお札でも許してもらえるかもしれませんが、本当はピン札なのだと覚えておきましょう。
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服装編
茶道のお稽古では着物でも私服でも大丈夫な場合がほとんどです。私服を着ていく際に、気を付けるべき点を紹介します。
- 白靴下
- 時計や指輪は外す
- 女性は長めのスカート
茶道のお稽古に行く際は、必ず白靴下を履いていきましょう。お茶室は神聖な空間なので、色付き、柄付きは忌避されます。
茶道具は高く、衝撃に弱い物があります。お茶碗やお道具が傷ついたり壊れたりしないように、指輪や時計などのアクセサリーはつけないのがマナーです。
カジュアル過ぎる服装も避けた方が良いでしょう。茶室に似合うような落ち着いた服装が好まれます。女性はジーンズではなく、膝が隠れるくらいのスカートやワンピースがおすすめです。
挨拶編
茶道教室に来た時・帰る時には、先生に挨拶をします。先生のお宅に着いたら、静かに玄関を開けて中に入ります。お稽古中かもしれないので「お邪魔します」と言わなくて大丈夫です。荷物を置いて準備が整ったらふすまの扉を開け、座って扇子を前に置いて挨拶をします。先生に挨拶した後は周りの人にも挨拶をしましょう。ただし、他の人のお稽古中は邪魔になってしまうので中に入って待ち、お稽古の合間にすると良いでしょう。また、自分がお点前をするお稽古の前後にも挨拶をします。
例. 「先生こんにちは。よろしくお願いします。」「先生、○○のお稽古よろしくお願いします。」
少し恥ずかしい気もしますが、社会人の基本だと思って頑張りましょう。
お菓子の頂き方編
お菓子が運ばれてきても、すぐに食べてはいけません。「お菓子をどうぞ」と言われてから頂きましょう。お菓子は、自分のものを取り、懐紙の上にのせて楊枝で切って口に運びます。せんべい等はそのまま噛付きたくなりますが、手で割ってから口に運ぶのが品のある良い頂き方とされています。
お茶の頂き方編
お稽古でもお茶会でも必要となるのでマスターしておくと良いでしょう。
- お茶が出されたら、前の客との間に置いて「お相伴を」と言う。
- 次客(お抹茶を頂いていない人)と自分の間に茶碗を置いて「お先に」と言う。
- 自分の前に茶碗を移動させて、亭主(お点前をして客をもてなす人)に「お点前頂戴いたします」と言う。
- 茶碗を左手に乗せ、右手を添えて感謝する。
- 右手で茶碗を2回手前に回す。
- 3口半程でお茶を頂きましょう。最後は音をたてて吸い切る。
- 飲んだ口を指で拭き、指を懐紙で拭う。
- 右手で茶碗を2回反対方向に回して戻す。
①、②、③は臨機応変に挨拶しましょう。お茶会やお点前の種類によっては言わない場合もあります。④~⑧はお茶を頂く一般的な動作になります。
これで茶道に行っても安心
いかがでしたか? 今回は茶道を始めてする人に向けて、服装・持ち物・挨拶など基本となるマナーを紹介しました。挨拶の仕方や当日の服装など気を付けるべきところはいくつかありますが、先生は優しいので肩の力を抜いて、行ってくださいね。これであなたも安心して茶道教室に行けますよ。