モッツァレラチーズはモチモチでとろけてとても美味しいですよね。
「自分で作ってみたい!」と思った人も多いのではないでしょうか。筆者もその中の一人でした。
材料を調べたところ、牛乳とお酢で簡単に作れるそうですね。さっそく買い出しに…
ちょっと待った!
実は、普通の牛乳でモチモチのモッツァレラチーズは作れないのです。
一体、なぜ作れないのでしょうか?
この記事では、
- モッツァレラチーズ作りに最適な牛乳の種類
- 普通の牛乳でモッツァレラチーズを作るとどうなるのか
- モッツァレラチーズの簡単な作り方
について紹介していきます。
この記事を読めば、手作りのモッツァレラチーズを自宅で楽しむことができるのはもちろん、牛乳についても詳しくなれますよ!
楽しみながら学べるので、有意義な休日になりますね!
普通の牛乳を使って失敗した体験談も紹介していくね!
モッツァレラチーズの特徴
モッツァレラチーズはイタリア原産のフレッシュチーズ。発酵させないチーズなので家庭で簡単に作ることができます。
スーパーで目にしたことのある人も多いのではないでしょうか。
モッツァレラチーズといえば、トマトのカプレーゼやマルゲリータによく使用されますよね。
モッツァレラチーズの特徴として、以下のものが挙げられます。
- 生ではモチモチとした弾力
- 加熱すると弾力がありながらもとろりと伸びる
- チーズ特有のクセがなく、ミルクのフレッシュさを感じられる味わい
クセはなく食感も味も美味しいので、子どもから大人まで誰もが大好きな味ですね。
どんな牛乳だと作れるの?
結論、モッツァレラチーズ作りに最適な牛乳の種類はノンホモ牛乳です。
しかし、ノンホモ牛乳はスーパーではなかなか売っていません。
そこで筆者は、スーパーでも売っているパスチャライズ牛乳でモッツァレラチーズを作りました。
パスチャライズ牛乳でもモチモチで美味しいモッツァレラチーズを作ることができ、ノンホモ牛乳よりもコスパがいいのでオススメです。
ノンホモ?パスチャライズ?と知らない言葉が出てきて戸惑った人も安心してください。これから牛乳の種類について詳しく解説していきます!
ノンホモ牛乳って何?
生乳には大小様々な脂肪球が混在しており、脂肪球の処理方法によって2種類の牛乳に分類されます。
- ホモ牛乳
- ノンホモ牛乳
ホモ牛乳
一般的にスーパーで見る普通の牛乳はホモ牛乳と呼ばれます。ホモ牛乳は、圧力によって牛乳中の脂肪球が均一化(ホモジナイズ)されています。
ホモ牛乳の特徴は、
- 長時間置いてもムラができにくい
- 味が安定している
- 扱いやすい
- 大量生産できる
- 価格が安い
などが挙げられます。
毎日たくさんの人に安定した味を届けるためには、ホモジナイズ処理は必須だね!
ノンホモ牛乳
一方、ノンホモ牛乳は、牛乳中の脂肪球が均一化(ホモジナイズ)されていません。
ノンホモ牛乳の特徴は、
- 長時間置くと牛乳と生クリームの層に分かれてしまう
- 生乳に近い風味が味わえる
- 大量生産できない
- 手に入れづらい
- 価格が高い
などが挙げられます。
長時間置くと牛乳と生クリームの2層に分かれますが、飲む前に牛乳を優しく振ることで問題なく飲むことができます。
ノンホモ牛乳はより生乳に近い風味を楽しむことができるので、牧場に来た気分になれますね!
しかし、ノンホモ牛乳は大量生産に向かないため、限られた場所でしか販売しておらず、お値段も少々高めです。
ノンホモ牛乳は5件のスーパーを探し回ったけど見つけられなかったなぁ~。
デパート・高級スーパー・通販などの限られた場所でしか取り扱いがないみたい。
パスチャライズ牛乳って何?
さてさて続いてはパスチャライズについて説明していきます。
パスチャライズとは牛乳の殺菌方法の一種です。殺菌方法には、高温殺菌と低温殺菌があり、一般的に低温殺菌された牛乳のことをパスチャライズ牛乳といいます。
- 高温殺菌牛乳
- 低温殺菌牛乳(パスチャライズ牛乳)
高温殺菌牛乳
高温殺菌牛乳とは高温短時間で殺菌された牛乳です。
厳密には72℃以上の加熱から高温殺菌と呼ばれますが、スーパーで見かける9割の牛乳は120~150℃の超高温殺菌によってできています。
高温のため、牛乳本来の香りが逃げて”焦げ臭”がつきますが、この焦げ臭はコクにもなるので、消費者には好まれる傾向にあります。
低温殺菌牛乳(パスチャライズ)
低温殺菌牛乳とは、63℃ 30分というような低温で殺菌した牛乳です。
低温で殺菌されるためタンパク質は変性せず生乳の風味を損ないません。
もともとの牛乳の鮮度が良く、生菌数が少ないものでないと低温殺菌牛乳にできないため、品質の良い生乳が使用されます。
低温殺菌牛乳(パスチャライズ牛乳)は一般的なスーパーでも購入できます。
ノンホモ牛乳の多くは低温殺菌されているので、より生乳感が楽しめるね!
ノンホモ牛乳とは、乳脂肪球の均一化処理をしていない牛乳。
パスチャライズ牛乳とは、低温殺菌処理をした牛乳。
牛乳から実際に作ってみよう!
今回用意したのは、スーパーで買ってきた高温殺菌牛乳(普通の牛乳)と低温殺菌牛乳(パスチャライズ牛乳)。
まず、2種類の牛乳を使ってモッツァレラチーズを作った結果を報告します。
高温殺菌牛乳だと大変なことに
スーパーで一般的に売られている高温殺菌牛乳でモッツァレラチーズを作ってみました。
牛乳に酢を入れると分離が始まったものの、濾したものを混ぜても練っても固まる気配がありません。
味は驚く程、美味しくありませんでした。
- ミルクの味がかすかに感じられる程度
- 1粒1粒には弾力があるが、濡らした紙を食べているような感じ
加熱すればとろけるかと思いきや1粒1粒の弾力は健在で(笑)。普通の牛乳では美味しく作れないことが分かりました。
低温殺菌牛乳だとちゃんとできる?!
低温殺菌牛乳では酢を入れて牛乳を分離させる時点でトロトロとして大きな塊を形成していました。
濾して手でまとめるとくっついてモッツァレラチーズの形に。
- 食感は市販のものより弾力は少なめですがしっとりもちもち
- クセがなくしっかりミルクの甘い風味がする
低温殺菌牛乳で作ったモッツァレラチーズは食感も味もとても美味しかったです。市販のモッツァレラチーズよりも圧倒的に生乳の風味や味を感じることができました。
加熱してもモチモチ感は維持されており、食材の上に乗せて焼いてもミルクの味をしっかりと感じることができるほど濃厚なモッツァレラチーズでした。
ワインと一緒に食べるとたまらんですな~。
簡単な作り方を紹介!
モッツァレラチーズはどのようにして作るのでしょうか。材料から1つずつ見ていきましょう。
材料・調理器具
- ノンホモ牛乳または低温殺菌牛乳
- お酢(牛乳の量の5%)
- お鍋
- 温度計
- ザル
- ボウル
- ヘラ
モッツァレラチーズの基本の材料は2つだけで超シンプル。
牛乳はノンホモ牛乳または低温殺菌牛乳を選び、酢は牛乳の量の5%を準備します。1Lの牛乳なら50mLですね。
手順
では、さっそくモッツァレラチーズを作っていきましょう。
①牛乳のみを鍋に入れて50℃まで加熱。
②50℃を超えたら弱火にして、お酢を入れて軽く混ぜます。
※温度は正確に!
お酢を入れると牛乳が分離し始めます。
③60℃になったら火を止めます。
※完全に分離しなかった場合も、60℃になったら火を止めましょう。
④牛乳が完全に分離したら、チーズとホエイをザルで濾して分けます。
⑤チーズはボウルに入れます。
ここからがポイント!
⑥チーズに90℃の熱湯を注ぎ、ヘラで練っていきます。
熱湯を加えることで、モッツァレラチーズ特有のモチモチ食感に!
⑦ザルで濾したら、ここからは手で練っていきます。
両手でおにぎりを握るようにギュッギュッと押し固めながら形を整えると上手くできます。
⑧形が整えば、お好みで塩(分量外)を振り、冷蔵庫で冷やして完成です!
牛乳に酢を入れて酸性にする理由は、酸性下では牛乳に含まれるタンパク質が凝固するから。凝固物を集めるとモッツァレラチーズができるよ!
まとめ
本記事では、モッツァレラチーズに最適な牛乳、モッツァレラチーズの簡単な作り方について紹介しました。
モッツァレラチーズを作る時はノンホモ牛乳か低温殺菌牛乳を使わないと、筆者みたいに大失敗してしまいます。
低温殺菌牛乳ならスーパーでも売っているのでぜひ探してみてくださいね。