食パンに塗って食べたり、サラダやチーズケーキに使ったり、クリームチーズの濃厚な味わいとなめらかな舌触りが好き!という方も多いのではないでしょうか。
しかし、スーパーで購入しようとしてもクリームチーズは高いですよね。200gで500円以上もします。
そんなクリームチーズですが、ヨーグルトから簡単に作ることができるって知っていましたか?
本記事では、ヨーグルトを材料としたクリームチーズの簡単な作り方に加え、3種類のヨーグルトから作ったクリームチーズの味比較についても紹介します。
どのヨーグルトから作ったクリームチーズが、一番コスパが良くて美味しいのでしょうか。
この記事を読めば、もっとお得にクリームチーズが楽しめますよ。
クリームチーズとは
クリームチーズは、生クリームまたはクリームと牛乳の混合物を乳酸発酵させ、ホエイを除いたチーズのこと。
熟成過程を経ないので、フレッシュチーズの一種です。
乳酸菌由来の酸味と乳脂肪の豊かな味わいを持ち、バターのようになめらかな舌触りが特徴的です。
チーズケーキの材料に使われたり、パンやクラッカーに塗ったりして食べられています。
クリームチーズの作り方
用意するものは?
クリームチーズは少ない材料と用具で誰でも簡単に作ることができます。
早速作っていきましょう。重石がなくても家の中にあるもので代用すれば大丈夫!筆者は重石の代わりにジャム瓶を使用しました。
- 無糖ヨーグルト
- 塩
- ざる
- ボウル
- キッチンペーパー
- 重石
基本の作り方
クリームチーズ作りは時間が掛かりますが、手間が少ないのが特徴です。
- ざるにキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトを入れて重石を載せる
- 冷蔵庫で7時間程度水抜きをする
- キッチンペーパーを剥がして、お好みで塩を混ぜたらクリームチーズの完成!
ヨーグルトの水切りを限界までした後、食塩を混ぜれば完成!
ヨーグルトからホエイが抜けると、モチッとしたクリームチーズになります。
できるクリームチーズの量が違う?
ヨーグルトからホエイ(水分)を抜く前後で重量はどのくらい変化するのでしょうか。
ヨーグルト3種類から得られるクリームチーズの量と重量の変化を比較してみました。
比較に使用したヨーグルトは3種類。
- 鮮度の良い低温殺菌の生乳から作られている高級ヨーグルト(100g当たり94円)
- ブルガリアヨーグルト(100g当たり34円)
- ギリシャヨーグルト(100g当たり138円)
以下の表に重量変化を比較した結果を示しました。
調理前の重さ(ヨーグルト) | 調理後の重さ(クリームチーズ) | 調理前の重さからの変化 | |
高級ヨーグルト | 200g | 101g | 50%減少 |
ブルガリアヨーグルト | 200g | 86g | 67%減少 |
ギリシャヨーグルト | 100g | 70g | 30%減少 |
驚いたのは、ヨーグルトの種類によってできるクリームチーズの量に違いが見られたことです。
ギリシャヨーグルトでは30%の重量減少だったのに対し、ブルガリアヨーグルトでは67%も重量が減少しました。
脱水量は乳固形分に左右されている?
牛乳はホエイと呼ばれる水分と乳固形分からできています。
さらに乳固形分は乳脂肪分と無脂乳固形分に分類できます。
脱水量が少ない順
- ギリシャヨーグルト(30%)
- 高級ヨーグルト(50%)
- ブルガリアヨーグルト(67%)
乳固形分が多い順
- ギリシャヨーグルト(19%)
- 高級ヨーグルト(13%)
- ブルガリアヨーグルト(12.5%)
脱水量と乳固形分の割合を比較すると、乳固形分が多い方が脱水量が少ないことがわかります。
この結果から、ある程度脱水量は乳固形分に左右されているといえるでしょう。
高級ヨーグルトとブルガリアヨーグルトの乳固形分の差は0.5%だったのに対し、脱水量は17%も異なっていました。
この理由としては、生乳の殺菌方法が異なったり牛の育て方によって生乳に含まれる栄養成分の組成が異なったりする生乳自体の違いや、発酵に使用した菌の違いなどが考えられますね。
クリームチーズ量は、ヨーグルト量に比例しない
ヨーグルトの種類によって脱水量が異なるため、ヨーグルトが安くても少ししかクリームチーズができず、逆にコストがかかるということがあり得ますね。
比較的安く購入できるブルガリアヨーグルトの脱水量は約70%と高く、全体の30%程しかクリームチーズになりません。
クリームチーズの量だけを求めるなら、乳固形分に注目するのが最適解ですね!
クリームチーズをより多く作るためには、ヨーグルトの量を増やすだけでなく、乳固形分の多いヨーグルトを選ぶといった方法もあるんだね!
ヨーグルトの種類によって味が違う?
しかし、一番気になるのは味ですよね。
美味しくて安くクリームチーズを作るにはどのヨーグルトから作るのが良いのでしょうか。
高級ヨーグルト
- こってり
- 口どけが良い
- 乳の甘味と香りを感じる
クリーミーな口どけでこってりしたコクのある味わいが印象的でした。
とっても濃厚で美味しいです。
口に入れるとすぐになくなる口どけの良さと濃厚な乳のコクは、高級ヨーグルトの乳固形分に占める乳脂肪分の高さに由来しているといえるでしょう。
新鮮な生乳を使用しているからか、牛臭さもなくとても美味しかったです。
※今回は、プレミアム湯田ヨーグルトを使用しました。
ブルガリアヨーグルト
- さっぱりとした味わい
- 酸味が強い
- 少し牛臭い
他のクリームチーズに比べて酸味が強くさっぱりとした味わいが印象的でした。
乳固形分が少ない上、乳脂肪分の割合も低かったことやヨーグルトから約70%の栄養を多く含むホエイが抜けたことで、スッキリとした切れ味の良いクリームチーズに仕上がったと考えられます。
しかし、クリームチーズを口に入れると少し獣臭というか牛臭さを感じました。
他の食材と組み合わせて食べるのがいいかもしれません。
クリームチーズの香りは、ヨーグルトの製造方法や原料の生乳の質に左右されるんですね。
ギリシャヨーグルト
- モッチリとした食感
- 淡白な味わい
- 口どけの良さや乳の香りはない
臭みはなく淡泊な味わいで特にモッチリとした食感が印象的でした。
悪く言えば、コクがなく味がしないという感じでしょうか。
これはギリシャヨーグルトには乳固形分が多いからだと考えられます。
しかし、乳固形分中の乳脂肪分の割合は少ないため、口どけの良さや乳の香り・甘味があまり感じられませんでした。
クリームチーズランキング
3種類のヨーグルトから作ったクリームチーズの味わいとコスパの良さの総合評価で順位づけしてみました。
- 高級ヨーグルト
- クリーミーでこってり濃厚な味わい
- クリームチーズを100g作るコストは188円
- ギリシャヨーグルト
- モチモチ
- ミルクの味がしない淡泊な味わい
- クリームチーズを100g作るコストは197円
- ブルガリアヨーグルト
- 酸味の強いスッキリした味わい
- 牛臭い
- クリームチーズを100g作るコストは80円
今回使用したヨーグルトの中では、鮮度の良い低温殺菌の生乳から作られている高級ヨーグルトがダントツで美味しかったです。
ヨーグルト自体の脂肪分が高いので、濃厚さのある味わいに加え、臭みのないミルクの香りがしました。
少しお値段は張りますが、美味しく作りたい人は良い原料から作られたヨーグルトを選ぶと良いでしょう。
ヨーグルトによって、クリームチーズの味に大きく影響することがわかりましたね。
ちなみに、同じ量のクリームチーズを作る時のコストは、
ギリシャヨーグルト>高級ヨーグルト>ブルガリアヨーグルト
の順に高かったです。
クリームチーズの美味しい使い方
手作りしたフレッシュなクリームチーズは、素材の味の良さを生かしたいですよね。
- クラッカー&生ハム&クリームチーズ
- パン&ジャム&クリームチーズ
- レアチーズケーキ
- サラダ など
クリームチーズはジャムやはちみつなどの甘い系や、生ハムやツナなどのしょっぱい系の食べ物までなんでも合います。
手作りクリームチーズに合う食べ方を見つけてみてくださいね。
筆者はクラッカーに乗せたり、手作りパンを焼いてトッピングに使ったりしてクリームチーズを楽しみました。
筆者のお気に入りは、クリームチーズとブルーベリージャムの組み合わせ!
パンに載せてもクラッカーに載せても、そのまま食べても美味い。
余ったホエイの使い方
余ったホエイを捨てるのはもったいない!ホエイは様々な料理に使うことができます。
- お肉を漬け込む
- ポトフや味噌汁などのスープに使う
- ホットケーキやパン作りで使う
- 牛乳やはちみつと混ぜてドリンクとして飲む
ホエイに含まれる乳酸は、お肉を柔らかくしてくれますよ。
また、ホエイを使ってスープを作ると、酸味やコクがプラスされ、サッパリとした後味に。いつもと一味違ったスープを作るのはいかが?
日持ちはするの?消費期限は?
手作りクリームチーズの消費期限は、約2~3日。
「ヨーグルトから作ったならもっと日持ちするのでは?」と思うかもしれませんが、作る際に手で触れたり、ホエイを切る際に空気と触れている時間が多いため、早めに消費した方がよいです。
まとめ
本記事では、ヨーグルトを材料としたクリームチーズの簡単な作り方、3種類のヨーグルトから作ったクリームチーズの味比較について紹介しました。
使うヨーグルトの種類によって、できるクリームチーズの量や味わいが違ってくるのは面白いですね!
今回使用した高級ヨーグルト(湯田ヨーグルト)は、美味しくかつコスパ良くクリームチーズを作ることができるため、非常にオススメです。
見つけたらぜひクリームチーズを作ってみてくださいね。